ウィリアム・W・アトキンソン

ウィリアム・W・アトキンソン

ウィリアム・W・アトキンソンは、法律家として活動する傍ら、百冊を超える自己啓発書を書いて、その多くは自費出版しました。彼の著作に啓蒙されて、ナポレオン・ヒルが成功哲学をまとめ、アール・ナイチンゲール、ボブ・プロクターといった人々に受け継がれました。

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「引き寄せの法則」とウィリアム・ウォーカー・アトキンソン

ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン(1862-1932)は、シカゴの人で弁護士として活動しながら、引き寄せの法則を提唱し、たくさんの著作を残した人物です。ニューソートとヨガを基礎とする自己実現の法則を体系化しています。映画「ザ・シークレット」の元になったアトキンソンの引き寄せの法則は、ヨガをその体系に取り込んでいるように、インド由来の唯識論につながっています。そして、アトキンソンの思想がニューソートのワトルズ、ハアネル、ヒルにも影響を与えています。チャーネル・ハアネルの「ザ・マスター・キー」、ナポレオン・ヒルの「成功の哲学」、アール・ナイチンゲールの「ザ・ストレンジスト・シークレット」などの著書は、すべてこのアトキンソンの本を原点にしています。

 

「ザ・シークレット」の原典、アトキンソンと、ヘルメスの口伝「キバリオン」

アトキンソンの著書の中には、「キバリオン」についての本もあります。アトキンソンが考究したキバリオンとは、数千年前の古代エジプトに生きたヘルメス・トリスメギストスの口伝をまとめたものとされています。ヘルメスは、占星術や錬金術の開祖とされています。ヘルメスの教えとして「上なるごとく下に、下なるごとく上に」という口伝が残されています。天と地、宇宙と人間、神と人とを合一させるための秘密が、ヘルメスの教えです。アトキンソンは、それが「精神の創造力」なのだと明言しています。心の中に思い描くイメージが、現実を作り出していくというのです。「引き寄せの法則」の中で、アトキンソンは他者や人々を操作することもできるこの秘密が、一部の人間に握られているために、大衆が家畜のごとく操作されていることを嘆いています。

 

「思いを物質にする力」「引き寄せの法則」

そして、その邪悪な意図に対抗し、世界を変えていくために、著作を世に出し続けました。その数は100冊を超えているといわれています。大衆は意志力を正しく使わないので、環境や支配者の意のままに人生を動かされているというのです。多くの人が、精神的創造力の秘密を極めた人となれば、世界の未来も変わるといっています。キバリオンについての本で、アトキンソンは、宇宙の精神性を明示し、「思いを物質にする力」「引き寄せの法則」の背後にある宇宙の仕組みを説いているのです。大衆として環境や支配者に操作され扇動されていく人生を卒業して、精神の創造力の使い手となり、宇宙の本質である愛と調和を地上にもたらす師範となる人を増やせば、人類の未来も好転していくとアトキンソンは考えていたようです。アトキンソンは、法律家として活動する傍ら、百冊を超える自己啓発書を書いて、その多くは自費出版しました。彼の著作に啓蒙されて、ナポレオン・ヒルが成功哲学をまとめ、アール・ナイチンゲール、ボブ・プロクターといった人々に受け継がれました。「ザ・シークレット」のロンダ・バーンもその一人です。その後に登場した「ザ・メタ・シークレット」では、ヘルメスの七つの法則をテーマにとりあげていました。実は、錬金術の祖ヘルメスの七つの法則について、説かれているのが、「キバリオン」なのです。

 

古代エジプトから伝承された成功哲学

もともと、キバリオンというのはヘルメス文書の名前です。魔術師のことを「ヘルメスの弟子」などと表現します。古代エジプトに存在した賢人ヘルメスは、エジプト神話におけるトトです。旧約聖書でユダヤの祖アブラハムにエジプトの秘儀を伝授したメルキゼデクこそがこのヘルメスであるとされています。したがって、本書は、「引き寄せの法則」を学んだ人がさらに理解を深めるための必読書です。こうした古典の書というのは、やはり大事であり、これを知らないと、中途半解なスピリチュアルヒーラーに翻弄されたり自己啓発セミナーにはまり込んだりして、おかしな方向にいくことにもなりかねません。古典の書を一通り学んでいれば、精神世界のワナにはまり込むこともないといえるでしょう。特に宇宙意識の何某が語った精神論、得体の知れない霊的存在が語った引き寄せの法則などといったチャネリングなどのお告げのまがい物にだまされている人には、いい薬になる本です。


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